「鬼が城」の名前の由来

かつて、「鬼が城」は2つあったのだそうな。今、我々が「鬼が城」と呼んでいる山は、山の形が祭りの山車の「牛鬼」に似ておって、岩と深い木々に囲まれて、まるで鬼の住む城の様だからそう呼ばれたのじゃそうな。もう一つは滑床(なめとこ)の「古鬼が城」で、その昔、曽我兄弟とその家来の鬼王段三郎がここに城を築いて修行したという伝説からそう呼ばれたのだそうな。むしろ昔は「鬼が城」と言えばこちらを指していて、今の「鬼が城」は「水が森」とも呼ばれていたそうだ。それがいつの頃から今の「鬼が城」だけになったのか、詳しいことはもう分からんようになってしもうた。あの高名な伊能忠敬さんが測量にお出でなさった時には、もう今の「鬼が城」が有名になっていたそうだ。こっちの方がよく見えるせいかのう。そう言えば、「鬼が城」周辺を「鬼が城山系」と呼ぶが、もっと高い山がいくつもあるのに(高月山1229m、三本杭1226m、八面山1165m)そんな呼び方をするのは、やっぱりこの山が親しみやすいのじゃろう。もっとも、今は「スーパー林道」ちゅうもんが山肌を貫いておって、昔の姿とはずいぶん違うがのう。
資料

南予アルプスの山々

 大谷彰 著
 滑床自然休養林等保護管理協議会 発行、1989.1.20

愛媛県百科大事典

 p.249(安藤哲治)
 愛媛新聞社 編・発行、1985.6.1

牛鬼

 これは子供用
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